職員数 (うちサービス管理責任者) (うち就労支援員) (うち職業指導員) (うち生活支援員) |
6人 1人 2人 2人 1人 |
利用者数合計 | 25人 |
精神障がい (うち統合失調症) (うち、うつ) (うち発達障がい) (うちその他) |
25人 10人 3人 1人 11人 |
一般就労への移行率 | 84.2% |
NPO法人NECSTのビルドは、主に精神障がい者を対象とした就労移行支援事業所である。ビルドでは、Individual Placement and Support(個別職業紹介とサポート:IPS)の支援を基に、就職活動を実践し、高い就職率を示している。そのため、病院等のデイケアの紹介や患者同士の口コミなどで機関利用希望者が集まる。「働きたい」というご本人の希望があれば、障がいが重くても受入れ、一般企業への就職を支援している。今回、ビルドの梅田施設長からお話を伺うことができた。
月1回施設の募集説明会を行う。その後、4日間連続の体験をしていただき、振り返りの面接をして、本施設に通うかどうかご本人の意思を確認している。体験を通して、「働きたい」気持ちがあるのか、この施設で支援をして欲しいのか、ご本人の意思を確認する。
就職の際には、例えば、同時に複数のことができないなど、精神の障がい特性の説明を企業に対して繰り返して行っている。
当事者の社会経験があるかどうか。2分の遅刻をどうとらえるか。遅刻が症状のせいなのかの確認をする。本人は悪気無くしていることがある。それは「経験が無く」知らないためでもある。二次障害ともいえる。その場合は、ある程度の年齢を重ねていても知らないと思って指導することも必要。スキルを育ててほしいと考えている。
スキルトレーニングから、ご自分をどれくらい理解できるか。その理解したご自分のことを、会社へ伝えられること。これがセルフマネジメント。認知行動療法、SST(社会技能訓練)、WRAP(元気回復行動プラン)などを通して、自分自身を振り返る。振り返るのは苦しいが、スタッフと共に歩み、ご本人の気づきを促している。このセルフケアは、長く続く。
就職する際、現場に足を運ぶ。そして、指示等の細かいところについて、本人と会社の差を埋めて共有できることを考えている。会社では、面接人事と現場の差が時にある。現場にご本人の障がい特性の話など再度説明をするよう心掛けている。出来高が悪い人と捉えられるため、スムーズにはいなかいし、評価されない。パートの人たちへは、ジョブコーチなど支援者の障がい者への声の掛け方を見て参考にしてもらう。ご本人がフリーズしてしまう時には、丁寧に伝え、いいところを社員の方々に見てもらうこと、具体的に言うことが大切になる。また、同僚の愚痴を聞く。先方の不公平感は、上司に分担をしてもらい、負担感の軽減を図る。可能であれば障がい者の人件費は本社に依頼する。最初は賃金が低めでも、先を見据えてだんだん上がっていくように仕組みを考える。仕掛け、仕組みが必要である。
就職をした後、就職に関する悩みを抱えたりする。そのため、OB/OG会があり、この会で話をして、みんなで悩みを解決している。共に悩み、共に解決し、再び職場でチャレンジしている構図が作られている。就職後の離職者に対して、なぜ、再チャレンジするのか。何を目的に再チャレンジするのかを確認していく。次の就職の支援に向けて、本当に本機関でよいのかも含めて考える機会としている。
就職した際、障がい者と従業員には普通の感じで接する。言う時は言うし、困り事がないか、障がい者だけでなく従業員の話を聞くことを心掛けている。障がいの有無ではなく、互いに一人の人として話を聞くという柔軟性を持っている
本人たちは不安を感じている。安全か、自分のキャリアの不安、変化が不安なんだというのを(支援者は)頭に入れる必要があると思っている。企業の方たちはどうしても立場が上に見える。しかし、雇う側も不安を感じている。支援者は雇う側が不安な点をいかに解消できるか、やってみようと思える状態に持っていけるかが重要。企業が、なにかあったら支援者に聞けばいいと思えるか。そのためには何か起こってもなぜ大丈夫かという根拠を渡しながら話すのが大事だと考えている。両者ともいかに不安を取り除けるかだと思う。
「本人のセルフケア力:4」「現場のサポート力:4」「外部の支援力:1〜2」
外部の支援力は1でいいと思っているが、何かが起きた時にウエイトが上がる。ただ、どこまでいくと「定着」になるのか分からない。障がいのない人も2〜3年すると転職することがある。その場合は定着しなかったということではないと思う。
令和4 年度
独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業
対話によるD&I を目指す障がい者雇用研修・ネットワーク構築事業
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